BFNEWS No.342  2009.1

 変化をチャンスにできるか

 厳しい年が明けた。100年に一度とか言う大危機の内に2009年が始まったが、案の定、出てくるニュースは、次から次へと各業界の悲観的な情報ばかりが続いている。
 15日にも内閣府が発表した08年11月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)が7542億円と前月より16.2%減った。3ヵ月連続の減少で、比較可能な1987年4月以降で最大の落ち込みとなった。この額は21年前の87年7月の7344億円とほぼ同じ水準に戻ったことになる。

 印刷業界でも、昨年の夏あたりから売上の伸び悩みが始まり、ずるずると売上額が低下している様子で、年が明ければ何とかなるという期待感で新年を迎えたものの、活発な動きは見えてこない。
 いくつかの会社の聞き取り調査をしてみると、昨年の夏から受注が低下し始めたものが、9月あるいは10月にはガクンと落込み、落込み幅も平均の半分とか30%とかいう会社もあったようで、紙代の値上げと重なって、身動きが取れなくなった。その結果で業歴40年以上の会社もあっけなく倒産となったケースも出ている。10月末から始まった中小企業向けの緊急保証制度の融資も役に立たなかった様子である。今回のセーフティネットとしての緊急保証制度は、各業界の厳しさを反映してか申込が殺到し、審査も1ヵ月以上もかかっても結論が出ず、厳しい条件が付くなど貸し出し側もその選別を厳しくしている様子である。

 製造業を中心として、自動車・電機などの派遣労働の打ち切りや解雇が話題の中心になっているが、影響はすべての産業に広がっており、印刷・出版が振るわなければ当然に紙も影響を受ける訳で、折角値上げをして、採算点をクリアしたはずの製紙業界も大幅な操短の実施を迫られている。
 上質紙・塗工紙・微塗工紙等の印刷・情報用紙を見ると、大量消費のメインのチラシ類も、不動産の販売不振等から大幅に減少、製紙メーカー・代理店の払い出しは種類によって異なるが4−6ヵ月続けて減少、その結果、メーカー・代理店は適正規模の2倍近い在庫量を抱えることになってしまった。
 最新鋭の設備を抱える大手メーカーでは11月から40-50%という考えられないような大幅の操短が行われている様子だが、この操短が続くと、資本力を持つ大手メーカーだけでなく、代理店・卸等の流通ルートも、前記の印刷業と同様にその存続さえ危うくなってくる。

 急激に来た八方ふさがり状態に見えるものの、現在の変化は一過性の部分もあるが、急激に来たことが問題でもある。この機会に改めて現在のビジネスを見つめ直してみたい。今後の変化を予測することは難しいが、ペーパーレス化の動きもオンデマンド化の変化も、また価格競争の激化も決して予想外の出来事ではない。印刷関連業界の収縮も予測されていたことではある。
 各地の同業会などでは、「苦境こそ次の飛躍を」とか「変化はチャンス」などと改めて決意の程が披瀝されているが、この変化をいかに先取りして、チャンスに転換できるか。そのためにどうしたらよいのだろうか。

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ニュース

◆総務省 新型住基カードを発行

 総務省は今年4月から本人確認機能を強化した新型の住民基本台帳カードを発行する。
 この新型カードは「本人確認の手段として、ICカード型の運転免許証と同程度の機能を持つ」もので、昨年10月末時点での普及率が2.2%(発行枚数約277万枚)と低迷している現状を、日常生活で使える機会を増やして普及率のアップを計る。
 新型カードは、表面のICチップに所有者の氏名、住所、生年月日、顔写真の画像データなど記録し、さらに偽造防止策として、特殊インクや微細な文字を使った全国共通の新しいロゴマークが印刷されている。また、カ ード普及に向けて、ICチップの読み取りに必要な専用ソフトを金融機関などに無償配布することも検討中という。

◆環境省 グリーン購入法へ総合評価指標を導入

 環境省は、官公庁に対し環境に配慮した製品の購入を求める「グリーン購入法」について判断基準を見直し、新しく「総合評価指標」を導入することを決めた。
 これは平成20年度第2回特定調達品目検討会で決定され、広く国民から意見を募るパブリックコメントを実施 し、第3回特定調達品検討会を経て2月の上旬に閣議決定される。
 この措置はコピー用紙の古紙配合率偽装問題を受けたもので、来年度はコピー用紙を対象とし、順次他の製品に拡大する。現状、古紙配合率は100%だが、今後は総合評価指標の複数の項目から、一定水準以上なら対象製品として認められる。

 印刷用紙については、一部要求品質の高いものがあり、現行の印刷用紙の品目を用途に合わせ適切に分類し、品目ごとに適切な古紙パルプの配合率や白色度、塗工の有無等の判断基準を設定することについて検討されたが、現段階では「用途がきわめて多岐」として、当面以下のとおりの対応となった。
▽平成21年度の基本方針は、印刷用紙に係る判断の基準等は現行のとおりとする。
▽印刷用紙の塗工量や白色度 、生産動態調査における分類の見直し等を勘案し、総合評価指標の導入を含めて次年度で引き続き検討を実施する。

 総合評価指標については、導入のメリットとして状況に合わせた環境配慮製品の生産、開発ができることや、品質に対する過度な競争を排除でき、環境価値の大小を数量的に消費者に伝えられることも可能となる。
 各環境指標は環境負荷低減効果が確認されている項目が選定されている。さらに今後の各指標の重み付けにつ いては、各製紙メーカーの取組状況や社会的な反響を検証し、引き続き検討・修正していくものとする。  

◆印刷工業会 会員実態調査

 印刷工業会は2年毎に実施している「会員台帳集計」の平成20年度版をこのほどまとめた。
 調査は現会員100社(平成20年12月1日現在)を対象に実施。回収数98社(締切9月末)。現況、会員企業の売上高の合計は国内印刷業の約70%を占めると推定され、株式を公開している企業は18社。 資本金は「1億円〜10億円未満」が37社と最も多かった。
・平成19年度の会員企業合計売上高(回答90社)は連結で4兆9673億9000万円(前年度比4.8%増)で、営業利益(回答75社)は2229億2400万円(同3.6%減)、経常利益(回答76社)は2300億1200万円(同9.7%減)となり、単体の営業利益が14.0%減、経常利益は20.9%減と厳しい内容だった。
・当期利益(回答74社)は、連結で1080億9700万円(10.8%減)だった。
 売上高については「伸長している」が28.3%あり、「ほぼ前年並み」も約30%の反面、「やや悪化」「悪化し ている」と回答の企業が40%で2極分化の様相となっている。利益についても「伸長している」が19.1%、「悪化している」が33.7%と厳しい内容だ。前年末の増収増益から比べると大幅にダウンしている。

◆低料第3種郵便物悪用事件 その後(2)

 「低料第3種郵便物」制度を悪用した事件はさらに拡大している。この事件の報道に執念を見せている朝日新聞と、郵便事業会社が総務省に報告した内容によれば、この制度を利用したうちの約80%が悪用だった。
 2007年4月から2008年10月末までの1年7ヵ月間に低料第3種郵便物制度を利用した障害者団体の刊行物は、217件で合計発送部数は1億8815万通あった。この217件の刊行物のうち17件が制度を悪用したもので合計1億4834通と総数量の約80%を占めていた。これによる正規料金との差額は少なくとも約49億円にのぼることが判った。
 日本郵便もようやく重い腰を上げ、悪用が判明した障害者団体と企業などに差額分を請求するという。同時に損害賠償訴訟や刑事告訴も検討する。また、2006年度以前の利用分についても調査する。

◆紙・板紙の出荷量過去最大の13%減

 日本製紙連合会の発表によれば、11月の紙・板紙の国内出荷量が226万4000トン(前年同月比13.6%減)だった。現在の形で統計を始めて20年間で最大の下落率となった。これ以前では10月の8.1%減が最大だったので2ヵ月連続の記録となった。
 印刷情報用紙の落ち込みが17.3%減と大幅で、このうち塗工紙は19.1%だった。また、輸出も需要低迷と円高で14.9%減となり、2年ぶりに前年同月実績を割り込んだ。製紙各社による減産は過去最大規模だが、11月末の紙のメーカー在庫は156万5000トンとこれも過去最高とな っている。

◆王子製紙 年末年始の塗工紙減産幅を拡大

 王子製紙は年末年始(2008年12月〜2009年1月)の塗工紙生産量が前年同期比40%減となった。
 例年、年末年始でも休まず稼動していたが、今年は富岡工場(徳島県阿南市)など8工場のうち5工場を2週間から3週間停止した。また富岡工場で稼動予定だった新型製紙機の運転も1ヵ月延期し、富士工場(静岡県富 士市)では一部の設備を廃棄する。  
 期初の生産計画に比べ11月は35000トンの減産だったが、12月は減産幅を8万トンに拡大し、1月も7万トンの減産予定だが、需要の変化に対応して減産幅が広がる可能性もあるという。

◆三菱製紙 再生紙の古紙配合率を25%以上に

 三菱製紙は環境配慮型製品拡充の一環として、再生紙古紙配合率増加を1月生産品から古紙配合率を従来の「15 %以上」から「25%以上」に引き上げた。配合率を引き上げても品質的に従来品並のレベルの維持が確立されたことによるもので、高級塗工紙を含む主要な再生紙銘柄で、以下の品目。
 「Rパールコート」「RニューVマット」「RニューVマットFSC-MX」「RホワイトニューVマット」「Rスイングマット」「金菱R」「三菱PPC用紙REFSC認証-MX」。

◆ラベル新聞 08年度上期粘着紙出荷動向調査

 ラベル新聞が「08年度上期粘着紙出荷動向」調査を発表した。(調査期間08年4月〜08年9月)
 2008年度上期の印刷用粘着紙の国内出荷量は、ラベル新聞の推定で月平均1億943万平方メートルで前年同月 比0.7%減だった。これは2005年度上期以来の減少記録という。
<紙系粘着紙> ・08年度上期紙系粘着紙出荷量
・月平均 9006万平方メートル (前年同期比0.8%減)
「上質紙」 3165万平方メートル (同2.8%減)
「キャストコート」 2284万平方メートル (同2.9%減)
「サーマル」 2108万平方メートル (同5.9%減)
「アート紙」 620万平方メートル (同2.9%減)
「ホイル」 111万平方メートル (前年並)
「その他」 418万平方メートル (同1.4%減)
<フィルム系>・08年度上期フィルム系粘着紙出荷量
・月平均 1037万平方メートル (前年同期比0.2%増)
「合成紙」 624万平方メートル (同3.7%増)
「PET」 601万平方メートル (同0.8%増)
「オーバーラミ」 252万平方メートル (同7.0%減)
「合成紙サーマル」 209万平方メートル (同4.5%減)
「PVC」 91万平方メートル (同1.1%減)
「その他」 160万平方メートル (同7.0%減)

◆DIC、大日本印刷、ザ・インクテック

− 印刷インキ事業の統合で協議開始 −
 DIC(旧大日本インキ化学工業)、大日本印刷(DNP)、DNP子会社のザ・インクテック(旧諸星インキ)は、国内の印刷インキ事業の統合に向けて協議を始めた。事業統合はDICとDNPが共同出資会社を設立し、DICのインキ事業とザ・インクテックのインキ事業を統合する。新会社はDICが過半を出資する予定。新会社の売上高は2008年3月期の単純合算で1200億円規模で 、国内シェアは30%強(金額ベース)となる。

◆凸版、日立、日立化成、ICホロで最優秀賞

 凸版印刷、日立製作所、日立化成工業の3社で共同開発した「ICホログラム」が「The Excellencein Holography Awards 2008 」のパッケージング部門で最優秀賞を受賞した。
 「The Excellence in Holography Awards」は世界の主要なホログラムメーカー約90社により構成されている団体IHMA(International Hologram Manu-facturers Association)が、その年に最も優れたホログラムの新製品、新技術に贈る賞で、1993年開始から今年で16回目となる。応募された新製品、新技術の中から「セキュリティ/認証」「パッケージング」「プロモーション/イラストレーション」「工業分野」「新製品」「新技術」「ブライアンモナハン賞」の7部門に2点ずつノミネートされ 、専門家・有識者により最優秀賞が選ばれる。
 ICホログラムは凸版印刷独自技術による「クリスタグラム」に日立の世界最小クラスの非接触ICチップ「ミューチップ」を、日立化成の実装技術により組み込んだもの。「ICホログラム」はホログラムにICチップ を組み込む画期的な製品ということで高く評価された。従来のホログラムの主な用途としての「セキュリティデバイスに」、「商品の流通・生産における履歴管理」も可能となった。同時にデザイン性も高く、貼り付ける商品のパッケージデザインの向上も図れることが評価されて「パッケージ部門」の最優秀賞に選ばれた。
 ICホログラムをさまざまな商品に貼り付けることで、目視による偽装確認ができ、ミューチップで流通・生 産における履歴管理も可能となるため、1枚の「ICホログラム」で、偽装・不正流通の防止と効率的管理ができる。

◆PAGE 2009

 日本印刷技術協会が主催する「PAGE 2009」が2月4日(水)〜6日(金)に、東京池袋のサンシャインシテ ィで開催される。近年PAGEはITソリューション、クロスメディア関連の比重が高くなっており、今年は全体テーマとして「ゼロリセット」を揚げ、従来のDTP関連・JDF/MISに加え、デジタルプリントやクロスメディアにも重点を置いたものになっている。
▽会期 2009年2月4日(水)〜6日(金)  時間 午前10時〜午後5時
▽会場 サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO ・東京都豊島区東池袋3−1
▽出展社数:141社、小間数:620小間。

◆リョービ 新春ショー2009開催

 リョービの新春恒例となっている印刷機器展示会「リョービ新春ショー」は−お客様と共に進化するリョービ−をテーマに下記日程で開催される。
〔 福岡 〕2009年2月6(金)〜7日(土)  会場 リョービイマジクス福岡支店ショールーム
〔 東京 〕2009年2月13(金)〜14日(土) 会場 リョービイマジクス東京支店ショールーム
〔 広島 〕2009年2月20(金)〜21日(土) 会場 リョービ広島東工場

◆ビーピーエス フロンテックから事業分離承継

 昨年10月に民事再生法の適用を申請したフロンテックは、GCAサヴィアングループの投資会社インテグラルの100%出資子会社ビー・ピー・エス(以下「BPS」)に封入封かん機事業部門を1月30日に分離譲渡する。
 BPSの資本金は1000万円だが、事業承継後に増資して資本金を3億円とする。また日本経済新聞によれば、親会社となるインテグラムが約15億円を投資し、社長に東ハトの元副社長だった後藤英恒氏が就任する。同事業部門に従事する従業員全員の雇用も新会社が継続する。

◆日本出版販売 2008年の年間ベストセラー

 日本出版販売(日販・出版取次大手)が2008年の年間ベストセラーを発表した。順位は次の通り(カッコ内は著者、出版社、税込価格)
<総合・ベスト10>
1)ハリーポッターと死の秘宝(J、K、ローリング、松岡佑子訳、静山社、3990円)、
2)夢をかなえるゾウ(水野敬也、飛鳥新社、1680円)
3)B型自分の説明書(Jamais Jamais、文芸社、1050円)
4)ホームレス中学 生(田村裕、ワニブックス、1365円)
5)O型自分の説明書(Jamais Jamais、文芸社、1050円)
6)A型自分の説明書(Jamais Jamais、文芸社、1050円)
7)女性の品格(坂東真理子、PHP研究所、756円)
8)AB型自分の説明書(Jamais Jamais、文芸社、1050円)
9)親の品格(坂東眞理子、PHP研究所、756円)
10)新・人間革命〔18、19〕(池田大作、聖教新聞社、1300円)
 なお、このほかジャンル別順位も上がる。

◆神奈川 全県立高生11万人分情報流出

 神奈川県教育委員会は同県立高校の06年度の全在校生約11万人分の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。流出情報は住所、氏名、電話、授業料の振替口座などで、県教委が日本IBMに業務委託した授業料徴収システムの開発に使われたデータだった。IBMから業務委託された企業の社員のパソコンから流出した可能性が高く、ファイル共有ソフト「シェア」「ウィニー」から流出していることが確認された。県教委には7日までに1461件、日本IBMにも約800件の相談が寄せられているという。県教委では当時の在校生に謝罪し、流出した振替口座の変更の検討を依頼する文書を全員に送る。

◆コンビニ 売上高で百貨店を抜く

 2008年のコンビニエンスストアの売上高が百貨店の売上高を始めて抜くことが確実となった。日本百貨店協会の発表によれば、2008年1〜11月の売上高は6兆5800億円(前年同期比3.6%減)で、9ヵ月連続で前年割れとなっている。これに対してコンビニの売上高は10月までの累計で6兆4900億円(同6.2%増)と16ヵ月連続を上回っている 。百貨店の12月の売上高が前年並でコンビニが11月と12月共に前年を10%下回っても、総売上高は逆転する。

◆朋友印刷 破産手続き開始

 朋友印刷(資本金5200万円、東京都新宿区、代表山内満氏)は2008年10月7日付で事業を停止し、12月5日に東京地裁へ自己破産を申請、同日破産手続き開始決定を受けた。
 同社は1989年(平成元年)1月創業、同年2月に法人へ改組。パンフレット、チラシ、ポスター、カレンダーなど、企画からデザイン、製版、印刷まで一貫して手がけ、2004年7月期には年売上高約6億円を計上していた 。原材料価格の上昇、価格競争の激化、売り上げの低迷、設備投資負担などから資金繰りが悪化、支え切れず昨年10月7日に事業を停止していた。
 負債は債権者134名に対し約7億円。 −帝国データバンク−   

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新製品・新技術

◆リコー デジタル印刷機スキャナー機能付新機種

 リコーは昨年10月にデジタル印刷機に本格参入したが、これにスキャナを装着したモデル「リコープロ900S」を2月から発売する。
 スキャナの搭載でカラー、モノクロとも毎分90ページの高速コピーができるようになり、同75ページの高速スキャンも可能となっている。用紙厚は60〜300グラムに対応し、厚紙でも90ページの出力を可能にしている。価格は1520万円。
 また、モノクロで毎分135枚出力できる「リコープロ1357EX」などモノクロ3機種も発売する。従来は複合機のブランド「イマジオ」を使用していたが今後はデジタル印刷機のブランド「プロ」に統一される。  

◆東洋インキ インキの有機溶剤をリサイクル

 東洋インキ製造はグラビアインキの有機溶剤の回収・再利用を始める。印刷インキの業界では2010年度までに揮発性有機化合物(VOC)の排出量を、2000年度比で30%削減を目標としており、これに対応したもの。
 グラビアインキに含まれる有機溶剤は燃焼させるのが一般的だが、二酸化炭素(CO2)の排出などで環境への負荷が高い。同社はまずグラビアインキを改良し、機械メーカーと共同で有機溶剤ガスの回収装置を開発した。
 新インキでは有機溶剤を回収しやすいよう従来8〜10種類を、2〜3種類に抑えた。この溶剤を回収する装置は、溶剤を活性炭に吸着させ、この活性炭に窒素ガスを噴射して有機溶剤などの液体をタンクに集める。この液体を東洋インキが有償で引き取り、インキの希釈溶剤に再加工する。

◆大日本印刷 バーコードとICタグで書類管理

 大日本印刷は静岡銀行のグループ会社静銀ビジネスクリエイト(各種事務処理業務代行)の協力のもとでバーコードとICタグを併用して、伝票や帳票などの書類の貸出、返却、保管、廃棄などを行う「書類管理システム」を開発した。 銀行には顧客が記入した帳票を始め、さまざまな重要書類が大量に保管・管理されている。これらの書類の入庫、貸出、返却、棚卸、廃棄などの管理業務の多くが記帳によって行われ、手間や時間がかかることから、合理化と厳正な運用が課題となっていた。
 開発されたシステムは、バーコード付の伝票綴り用表紙、保管箱と保管棚にはデータの一括読み取りが可能なIC タグを、それぞれに印字・貼付して管理する。管理用のサーバー、パソコン、バーコード読取機、ICタグ読取機 、バーコードとICタグの両方を読み取れるハンディタイプの読取機などでシステムが構成され、効率的な入庫、 貸出、棚卸しなどの作業ができる。導入費用は約2千万円。すでに静岡銀行に導入されている。

◆川崎化成 インキ性能を高める添加剤

 川崎化成工業は塗料・インキ用の化学反応の速さを調整する添加剤を開発した。
 従来、この種の添加剤は硫黄や金属を原料としていたが、新添加剤は石油化学原料を使用、無臭で電子材料向 けの塗料に使えるもの。インキ原料のワニスの生産工程で添加剤を加え、「重合(分子と分子の結びつき)」の起きる速さを調整するとともに粒の大きさや形を整える。インキを塗布した時に表面が滑らかになって光沢も出るため、表面コーティ ングの必要もなくなる。
 従来品は硫黄の臭いがするため用途が限定されていた。石化原料の添加剤の開発で用途が広がる見通しという 。当初2種類を発売、2009年3月末までにさらに3種類を発売の予定。

     

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